オットーサイクル
最近自動車に対する興味が湧いてきて、インターンもそういう方面に申し込んでみました。
ということで少し学べたところとかをちょっとずつ書いていこうかなぁと。
今回学んだのはオットーサイクルのガスエンジン。
これは
① 断熱圧縮(ピストンを押し出して圧縮していく)
② 等積加熱(着火)
③ 断熱膨張(ピストンを押し出して仕事)
④ 等積冷却(弁をあけると圧力が高いので勝手に排気されて大気圧に戻る)
という感じのサイクルである。これは一般的なエンジンで、自動車もこんな感じらしい。
実際には空気とガスを混ぜたものを吸入、排気する部分があるために、PV線図でいうと等積冷却の後にPが一定で圧縮と膨張を行う。
このエンジンは4ストローク機関というらしく、4つの行程を合わせて1サイクルとして、そのうちにピストンが2往復、クランク軸が2回転する。昔は2ストローク機関が主流だったらしいが、4ストロークの方が効率が良く、騒音も小さいためこちらが主流になっている。
このエンジンの損失は、3つある。
まず、ノズルから着火するときに火花が散って燃焼が起こるが、その際に燃料が一気に燃焼するのではなく、ノズルから広がっていくために、等積加熱とはならなく、なめらかなPV線図を描く。
また、シリンダの周りは冷却のために水冷をしているため、そこに熱が伝わって熱が逃げる。つまり断熱にはならなくなり、冷却損失が生じる。これが大体30%。
最後に、燃料の吸入の際にその燃料の吸入量を調節する弁(自動車でいうアクセルに相当する)があり、これを絞ると燃料の量、圧力が減り、吸入排気の際の損失がでかくなる。つまり出力が大きければ大きいほどこのサイクルは効率が良くなるのである。
ちなみに回転をあげれば冷却損失は小さくなるのではないか、と思ったのだが、あまり速くするとシリンダ内部の熱の層が乱流で乱れ、逆に熱が外に流れてしまうらしい…
で、
このエンジン、機械工学的にも結構面白かった。
まず、燃料の吸入弁と排気弁をどのように制御しているのかというと、ギア比を変えて、カム機構で吸入弁と排気弁を押し出して制御している。
また、ピストンには金属シール、ゴムシール、オイルシールと、3つのシールがなされていた。オイルは密閉にいいらしい。
他にも、ピストン部の慣性をなくすために、クランクシャフトが対称ではなく、片方が大きくなっている。ピストンが押し出るときに、逆方向にクランクシャフトの大きな部分が動いて慣性を打ち消している。
と、こんな感じである。
ちなみにディーゼルエンジンの効率が48%くらい、ガスエンジンの効率が38%くらいらしい。ディーゼルの方が全然効率は良いのだが、強い圧力とmsec単位での制御が着火ノズルに必要らしく、かなりお金がかかる。また排気も汚いのでそれの浄化が必要になる。ゆえに日本ではガスエンジンが9割を占めているらしい。海外は半々くらいだとか。
ただ、トラックに関してはトルクが欲しいのでディーゼルエンジンを採用しているっぽい。
今政府のプロジェクトで自動車エンジンが見直されているらしいので、ちょっと興味を持ってこれからも動向をみたい。