haraduka's diary

やる気が欲しい

jaxaと産総研(jaxa編)

お久しぶりです。またまた最近忙しくて何もできない日々が続いています。で、なぜかjaxa産総研に行ってきたのでそのときに知った話とかを適当にまとめます。今回はjaxaの方だけ。

  • jaxaと一概に言っても、やっていることがいくつか別れるらしいです。例えば、電波とか天気予報とかを助ける人工衛星こうのとりに代表されるような有人衛星、H-ⅡAのようなロケット、はやぶさのような宇宙科学の解明、航空技術、基礎研究など。これら全てをひっくるめてjaxaなのです。
  • 衛星には色んな種類があります。普通の人工衛星はものすごいスピードで地球を駆けまわります。一周を1時間ペースだとか。これは普通、高度200~500kmくらいのところを飛んでいます。それに対して静止衛星は、高度36000kmものところに飛んでおり、地球の自転と全く同じ速度で一箇所を見続けます。ここで問題なのは衛星の寿命です。静止衛星は普通の衛星に比べて、スピードが遅いため、寿命も5年くらい長いんだそうです。ベアリングとかの摩耗の関係だそうで。
  • 宇宙では、日が当たっているところと当たっていないところでは温度が-200度から150度くらいまで変わるんだそうです。ただ、衛星を実際に地球で使っていたときと同じ環境で動かしたいですよね、そこでMLIと言われる金色の紙を用います。これは人工衛星の周りに雑に貼られているのをよく見るかもしれません。これを貼ることで人工衛星の中を一定の温度に保つことができます。また、このMLIは金色に見えますが、実際にはアルミの紙の上に黄色のセロファンのようなポリイミドの紙を何層ものせているだけだそうです。ちなみにMLIには色々な色が存在し、例えば国際宇宙ステーションなんかは白です。高度によって変わるんだとか。また、MLIは雑に貼ってあるように見えますが、より雑に貼ったほうが断熱の層が厚くなってより効果が高くなるそうです。でも日本人はキレイに貼りたがっちゃうんだとか。
  • 宇宙は真空なので、液体は蒸発してしまいます。そのため、潤滑油として油が使えません。ゆえに二硫化モリブデンのような固体潤滑剤を使うんだそうです。それでもやはり油には全然及ばないらしいですが。他にも金を潤滑剤として使うと、導電性で電気を貯めなくて良いそうです。テフロンなども使われていて、これはロケットの最初の打ち上げ部分のところだけ使われているらしい。
  • 人工衛星太陽電池などを積んでいて、それを宇宙空間で羽のように伸ばすが、これはアクチュエータを使わず、バネで単に伸ばすらしい。また、ロケットを打ち上げたときの衝撃でその羽が広がってしまわないように、実際には羽を太いボルトで締め付け、宇宙空間で爆薬を使ってそれを切り離しているんだとか。
  • 日本のロケット開発の最初はペンシルロケットという0.23mのロケットだったらしい。これは水平に飛ばして、理論との比較をしていたらしい。
  • 宇宙では使える電子回路部品もかなり限られているそう。
  • 宇宙開発には様々な人材が必要であり、医者や生物系などもいるらしい。
  • jaxaに入るには公募で、一回のwebテストと3回の面接をするらしい。何かに秀でていて、学ぶ力さえあれば入れるんだとか。
  • はやぶさは相模原キャンパスでやっているそうで、つくばでは見られなかった。
  • jaxaの、真空にしてその中で人工衛星を実際に動かす装置は、一度真空にするのに24時間、一度駆動するのに15億かかるらしい。これで人工衛星を一回動かし、大丈夫だったら全く同じものをもう一度作るらしい。
  • 人工衛星は昔、円筒形をしていてそれを回転させて回転中心を地球側に向けて見ていたらしいが、それでは自由な動きができないため、今では衛星の中に3つのコマ(フライホイール)が入っていて、それらを回転させることで姿勢を制御しているらしい。
  • 衛星についているアンテナはハニカム構造でできていた。ハニカム構造は全体の荷重には強いけど局所的な荷重には弱い
  • ロケットは液体酸素と水素を混ぜあわせて点火させているらしい。昔より作りを簡素にしたんだとか。
  • 基礎研究も見に行った。無重力空間で触った相手をうまくつかむといった実験。これにはgazeboでシミュレーション環境を整えていた。
  • 従来、着陸する際には半径100kmくらいのどこかに落ちるとかいう感じだったが、そこから小さなロケットのようなものを飛ばせば、ピンポイントにどこかを測定することが可能になるかもしれない、という研究もしていた。ロボコンに酷似していたが、やはり誤差の原因が桁違いに多くて大変そう。
  • 最近の電波などの誤差を減らす工夫はかなりのところまで来てしまっている。まず誤差を直したつもりでも、その誤差が直ったかを測るすべがないんだとか。証明に使っているLEDの発熱が気になるとかいうわけわかめな次元の話。
  • コマの部分の潤滑は、コマの中を弱真空にすることで油を使うことに成功している。また、ベアリングでもそうだが、アメリカとかの方が日本より性能が良い。彼らは手を抜くところをしっており、でも中心の部分はしっかりした仕事をしている。