haraduka's diary

やる気が欲しい

ちょこっと研究室見学4

さぁ残すところも2回の研究室見学ですが、今日は神経や脳と機械を融合させよう的な研究室に行ってきました。
個人的な最初の考えでは、生物の脳や神経の解明は、人工知能などには絶対欠かせない分野だと思っていて、かなりワクワクして行ったのですが、ロマンを求める研究というのは、往々にして泥臭く、綺麗事では住まないのだなあと実感しました。

  • "におい"の研究: ロボットにおいて、視覚や触覚などはどんどん進化しているのに、においという分野に関しては進展がない。カイコを用いて"におい"センサーを調べることで、それらをうまく現実世界に取り込む方法を探しているっぽい。この研究は、カイコが、フェロモンをトリガーとして途端ににおいの元を探し出す特性などを利用して、それを災害時の人間の確認や、ガス漏れなどの安全確認などに利用しようとしているっぽい。
  • 飛行や衝突回避の研究: 飛行の原理を調べるために生物を飛ばせ、その際の神経の働きを調べようだったり、バーチャル空間を虫に移動させて、衝突回避の方法を見出したりする。
  • 神経と脳の研究: メインの研究。ショウジョウバエなどから脳などを合わせた神経系を取り出し、一つ一つの神経細胞の働きを調べる。人間の神経細胞が10億個なのに対して、これらは10万個ほどであり解析しやすい。レーザーでガラスを高温にして引っ張ると、0.1umくらいの先端になる。神経細胞は大体1umくらい?なので、これでぶっ刺し、そこに蛍光の液を入れたりして神経細胞の形、どこが入力でどこが出力なのかを探る。これは結構大変らしく、うまい人でないとほとんど成功しないんだとか。神経細胞を理解するとは二つの意味がある。一つは入力に対する出力の応答。もう一つは形だ。ただ、入力に対する出力というのは難しく、周波数応答や時間経過などいろいろな事を考えなければならないし、完璧なデータなんてない。今のところ視覚機能を削ぎ落とした神経系の細胞1万個のうち1600個ほどを解析したらしいが、当然重複するデータだってあるだろうし、完璧なデータなんてないので、ほんとうのところよくわからない。
  • ラットの学習などの研究: ラットなどを使って、聴覚の研究などをしている。他にも、ラットの脳細胞を適当にいくつか取ってきて、それらを培養液で活かしてくっつけ、新しい何かを生成する研究とかもしている。(?)
  • "におい"であればセコム、衝突回避などであればトヨタ、神経や脳であればロボット業界や医療関係などと共同で開発しているらしい。

以上が概要。研究室を見てみて、ここまで泥臭いとは思わなかった。根気のある人間が生き残る感じだ。確かに人工知能には必ず生物というモデルが必要になる。これから先絶対必要な分野だし、もっとも未来を見据えた研究だとも思った。でもこれは自分が生きているうちに成し遂げられるものかは不安だし、正直神経を電気的な入力と出力だけで捉えていいのかは甚だ疑問だし、人間の行動がそれぞれ違うように神経細胞はそれぞれまったく違う機能に変化したりするのではないか。ただ電気的な入力と出力があってそれらがつながって、ある入力に対してはこんな出力が出るということをシミュレートしたところで、そこに意識が存在するのかは疑問だし、何を見出せるかもよくわからない。

まぁ色々と考えてみたが、一度頭をリセットさせて、自分が何をやりたいのかを考え直そうかなぁ。