工場見学(住友精密編)
工場見学に行ってきました。最近何をやったらいいのか完全に迷走しているので、せっかくだから色々と日本のものづくりを見て、何か自分のやりたいことが見つかればいいかぁくらいの気持ちです。
まず1日目、住友精密さんで聞いた話をつらつらと。
住友精密は色々とやっていますが、大体が航空宇宙関係か熱機関関係です。他にはMEMSとか。
ひとつひとつ見ていきます。
航空宇宙生産部
- まずなにより工作機械が巨大。自分たちが使っているものの数倍の大きさ。
- 基本的には受注生産なので、ほとんど自動化していない。マシニングセンタとかにある程度やらせ、細かい部分は人間がやったりなど。
- 旋盤が少し面白くて、名前は忘れましたが、巨大な部品でを旋盤でチャックして回すとき回転半径が大きくなってしまってあぶないので、旋盤のチャックする部分が巨大な円で、部品全体ごと固定できるみたいなのがありました。
- 検査のとき、複雑な部品だと難しいので、三次元測定機を使うらしい
- 焼入れ焼戻しは、超巨大な釜のようなものが動き、その中に部品をつるして行う。
- ソルトを使うと歪みが少なくなるとか
- 熱処理後の部品は黒くなっていて、普通のものとはすぐ区別がつく。
航空宇宙システム制御部
- 飛行機の脚の部分を設計製作している。
- なんかホンダジェットの脚とかも生産してた?(忘れた)
- 塗装は手で行っている
- K票というのに不良品の情報を書留め、直しているらしい。
- あまり見るところがなかった
熱交換器生産部
- 基本的に難しい構造の部分は鋳物で作っている
- 溶接は人間の腕の性能によって良し悪しが決まるので、人間に対する徹底した品質管理が必要
- 熱交換器はアルミの板を折り曲げながら作っている
- 熱交換器に流す流体は交差させる
- フィンに穴が空いているものがあるが、それはより流動性をあげ、流体を均一にすべてに行き渡らせるため
- フィンを波打たせることで性能向上をすることができるが、圧力損失が増える
- 結局、圧力損失, コスト, 熱交換性能のトレードオフらしい
- アルミ板とフィンをくっつけるのは、その間に融点の低い薄いアルミの板を引き、温度をあげることでその板だけ溶かして接着させるらしい。
MEMS
- MEMSを作る機械はSPPテクノロジーズが作り、MEMS自体は住友精密が作っている
- クラス1000だとか1だとかがあるが、何を作るかという対象物によってクラスは変わり、MEMSを作る場合はクラス1000くらい、ICを作る場合はクラス1,10とかにしているらしい
- クラスは1立方フィートにいくつ以下のゴミがあるかを表す
- MEMSのgyroは、リングをくっつけてそいつの歪みを検知しているらしい
- 3軸gyroはそれらを立方に3つくっつけるか、振動モードから計算するという2種類の方法があるらしい
- 普段ロボコンで使うようなgyroはみんなMEMS
- スマートフォンのマイクのMEMSは、小さな穴をたくさんあけることで音を増幅している
- スイッチは静電気で接触させている
- スケール則で、ものが大きい時は重力などが支配的だが、小さくなればなるほど面積力などが支配的になる